テクノログ

国内外のスマートグリッドの始まり

これまでのスマートグリッド

スマートグリッドとは、ICT(情報通信技術)を利用して高度化された送配電網のことで、発電設備や需要家設備、送配電線において効率よく電気を生産したり、送電したり、消費したりする概念である。

電気はもともと地域ごとに発電所と配電線が引かれて、それを連結して今のような送配電網が出来上がった。つまり初期は「地産地消」だったが、「ネットワークを拡大して多くの需要家や発電所をつないでいくほど相乗効果のメリットが生じる」という普遍的な考え方によって送配電網は拡大していったのだ。

しかし、風力などの分散型発電が増えて電力が制御できなくなったり、需要家にエネルギー貯蓄設備(EVやエコキュート)が普及したり、CO2の排出削減への動きがあったりなどで、従来の送配電網をもっと効率化しようという動きが出始めてきた。この効率化がスマートグリッドの1つの概念であることはいうまでもないことだろう。

欧米のスマートグリッド

昔、交流直流論争が起こったのはアメリカだが、アメリカの電力系統は先進国の中では停電時間が長く、安定性がよくないそうだ。そこで、需要側に一定時間ごとに測定された電気使用量をICTを通じて電力会社に送り、必要に応じて電力会社が遮断できるようにすることで安定化を図れないかと考えられたのが、アメリカでのスマートグリッドの始まりである。

一方ヨーロッパでは、化石燃料が輸入に頼っていることから積極的に分散型電源を導入しようという動きがあり、デンマークやドイツ、スペインなどで大量に風力発電が導入された。このようにヨーロッパの場合、たくさん導入された分散型電源で電力系統を構築するために打ち出されたのがスマートグリッドである。

日本のスマートグリッド

日本の電力系統は先進国の中でも比較的安定しているそうだ。しかし国際連合がCO2を削減する目標を掲げるようになると、日本も分散型電源を導入せざるを得なくなった。分散型電源がスマートグリッドの始まりになる点ではヨーロッパと同じだが、日本の場合ほとんどが住宅用太陽光発電であるため、ヨーロッパと違う問題点がある。

例えば、電力系統は発電所から需要家に一方通行で電気を送ることを前提としており、需要家の太陽光発電から供給側に送る(逆潮する)と末端で電圧が上がってしまう。また、太陽光発電は電力量が安定しないので、受給バランスがコントロールできなくなり、余剰電力を発生させ、周波数変動などの障害をもたらす。そういった課題を克服する一つの手段としてスマートグリッドが注目されている。